※これは一応月L前提で話が進んでますが、竜崎が知らない男に○されてたり、女体化だったり、月君とのからみが無かったりします。竜崎→月なのかな・・・・ものすごい駄文ですお気をつけください。












はなよめ














雪の降る寒い日だった。

行く手を阻むように雪が重なり視界を塞ぐ。バスのワイパーが行ったりきたりを繰り返す。


その様を竜崎はじっと見つめていた。


自分を運ぶバスは今日の為に借りられたものだった。運転手と竜崎以外は誰も乗っておらず、がらんとしていた。


吊り輪が規則正しく揺れる。道があまり良くない。


山間の道をゆっくりとバスは進んだ。

竜崎は一番後ろの座席で膝を抱えた姿勢で座っていた。

白の装束を纏い、薄く紅を差した。

その顔には諦めともとれるような笑みが浮かんでいた。




今日、顔も知らない相手の元に嫁ぐ。





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小さな村だった。

山間に民家が並び、目の前には海が広がっている。

村人の大半は漁で生計を立てており、近くの港には漁船がずらと並んでいる。


村全体が親戚のようだった。田舎の農村は横のつながりが強い、とは聞いていた。



竜崎は祝福を受け、今年30になる大家の長男にめとられた。

そもそも親同士が決めた縁談であったが、歓迎を受けて竜崎は少なからずほっとしていた。

「長旅で疲れたでしょう?この村には少しずつ慣れてくださいね」

祝言の席でねぎらいの言葉をかけてくれたのは長男の母親だった。穏やかな海を思わせる温かい人柄を感じた。

竜崎は「どうも」と短くお礼を言い注がれた酒に口をつけた。笑顔の一つでも見せれば義母は満足するだろうか。
そんなことも頭を掠めたが、俯き、淡々と杯を空にした。

式も宴も竜崎にはどうでもよかった。はやくこの今日という日が無事に過ぎてくれればいい。

しかし、これからの夜を思うとどうしても落ち着かなかった。

夫となる男は、それは申し分のない人物だった。仲間の人望も厚く、常に大衆の中心にいるような人物である。

非常に魅力的な・・・


いたたまれない気持ちを誤魔化そうと目線を外に向けた。


「・・・・・」



ふと視線の先に一人の人物が目にとまった。薄茶色の髪に痩身の礼服を纏った若者だ。年は随分若い印象を受けた。

縁側に一人正座をし、まるで周囲に遠慮でもしているかのような様子だった。楽しそうに騒ぐ身内とは明らかに異質な存在。

彼も自分と同じように杯を空けていた。


新郎が若者に気付いて声をかける

「月、おまえも来てくれたのか」

「冠婚葬祭くらいしか、帰って来る口実ないから」

「そう冷たいことを言うな。俺は嬉しいんだ・・・」


二人のやりとりを竜崎はしばらく眺めていた。

月、と呼ばれた青年。

憂いを帯びた佇まいが印象に残った。


彼が、自分の夫となる人物の弟だと知るのは後になってからだった。







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新郎新婦は祝言のあと小さな離れに移された。

赤の肌襦袢を身にまとい、その時を待つ。


二人分の布団。部屋を覆う布。香のかおり。

知らずと膝に乗せた手にきゅっ、と力がこもる。

衣擦れの音がして背後のふすまから夫があらわれた。彼も竜崎と同じ赤の衣を身にまとっている。

恐る恐る夫を振り返り、足を正す。しかし夫は立ったまま動こうとしない。舐めるように竜崎の体を眺め、口端に嫌な笑みを浮かべた。

初めての行為に身がすくむ。竜崎は堪らず俯いた。

「怖いのか?」

「・・・いえ」

逃げ出したくなる気持ちをどうにか抑え、凛と向き合った。

「そうか・・・それなら」

言うが早いか男は竜崎を布団に突き飛ばした。

「あっ・・・」

驚いてもがく竜崎衣の合わせ目に手を架け、乱暴に左右に割った。

瑞々しい素肌と小ぶりな乳房が露になる。男は無造作に乳房を揉みしだいた。竜崎は苦痛に顔を歪め、必死に男から目を逸らした。

酒の匂いがきつい。祝言の席で大分飲んできたのだろう。

「乱暴に、しないでください・・・・」

力任せに組み敷かれ、竜崎がやっとの事で声を上げた。

「なんだと・・・?」

剣呑な声音に竜崎は自らの発言を後悔した。次の瞬間平手が飛んだ。乾いた音が離れに響く。

「お前は嫁いで着たばかりで俺に意見する気なのか」

「そうじゃな・・・」

赤く腫れ上がった頬を押さえながら竜崎は必死に訴えた。

しかし聞き入れてはもらえなかった。


「女が偉そうに主人に口を利くな!!」


絶望が身も心も黒く染めていく

この家で「嫁」とは、子供を産む為にだけ存在を許される家畜も同然だった。


「痛・・・・っ・・・やめて、やめてください・・・・」

「焦らせばいいものでもない。」

前戯もそこそこにろくに慣らされずもせず貫かれ、鮮血が竜崎の白い腿を伝った。


窓からはうっすらと月明かりが差していた。


痛みで朦朧とする意識のなか竜崎は故郷の家族を思った。


記憶の中の親は涙を流していた。



余りにも酷い声を上げるので、いつしか男に口を封じられた。押さえ込む指先がちらと目に入った。


そういえば、あの青年も同じ指をしていた・・・・・













-あとがき-



気まぐれで続いたり続かなかったり。

これ、某映画のパロなんです^^; (笑)



旦那は熱烈に、月君はしっとり竜崎さんを抱いたらよろし


竜崎さんがかわいそうで・・・・すみません(涙)

ギリギリまで男と悩んだ結果、女にしちまいました・・・