※この作品に関して、まぼろし1が「冒頭」2が「結末」そして番外編が間を埋めるように1・2と存在します。関連作をはじめにご覧ください。
まぼろし(番外3)
ある日の事。
竜崎はいつものように原稿を出版会社に持ち込んだ。
何度も何度も書き直し、これ以上は無いほど絞り込んだ作品だという自負はあるが・・・・
担当者の表情は、いつもと同じ反応。眉間にしわを寄せ、どう断るか口実を探っているようにみえる。
竜崎は心の中でため息をついた。ああ、またか。次の展開はもう目に見えている。ここはさっさと潔く立ち去った方が相手も気を遣わずに済むだろう。
「すみません。もういいです。・・・・返してください・・・・」
竜崎が手を差し出す。
すると担当者は上目遣いでちらと竜崎を見た。
「あなたは・・・どこの流れを汲んでいるんですか?」
「いえ、流派はよくわかりません。すべて我流です。」
「そうですか・・・・うちははっきりした流派がないとどうにも推せないので。申し訳ないのですが」
「いえ、お手数お掛けしました。ありがとうございました」
丁寧に一礼をし、竜崎はその場を後にした。
(やはり型にはまったものしか受け入れられないのか。)
しかし竜崎は自分の書きたいものを曲げてまで出版会社に媚びる気はなかった。
重い足取りで玄関に向かった、その時。
「まってください」
ふいに背後から声をかけられ、振り返ると先ほどの担当者が息を切らし竜崎を追いかけてきたところだった。
「・・・なんでしょうか」
不思議そうに竜崎が問うと、突然手を握り締めてきた。
竜崎は困惑した。相手はおそらく三十代の男。同性にこんな風に手を握り締められても困るというものだ。
「あの・・・離して下さい」
不快感が背筋をぞわぞわと這い上がっていく。
「離して下さい、困ります」
今度はきつい口調ではっきり拒絶した。
しかし男は怯むことなく竜崎の手首から肘にかけてまさぐりだした。
「取引、しませんか?」
「あなた、無礼じゃないですか?」
竜崎は負けじと男をつっぱねる。しかし男は手を放す気配すらない。それどころか更に畳み掛ける。
「私はこうみえても色々な所にコネを持っているんですよ?竜崎さん。そこでですが・・・」
男の顔がいやらしく歪むのを竜崎は見た。瞬時にこの男が何を望んでいるか全て悟った。
あまりの不快感と恐怖に思わず足がすくむ。
「!!・・・・結構です」
ありったけの力で手を振りほどき、逃げるように出版会社を後にした。
それ以来あの男は何かにつけて竜崎に付きまとい、隙あらば竜崎を手に入れようと目を光らせていた。
同性に好奇の目でみられるのは不快以外の何者でもない。
しかし竜崎は先刻の出来事が忘れられずにいた。
唇を重ねてきた彼の顔は、胸が潰れてしまいそうなほど悲しい色をしていた。
「夜神君・・・」
彼に会って話がしたい。あの行為の意図をどうしても聞きたいと思った。
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えー・・すみません。駄文痴文恥文失礼しました;
とてもタチが悪い管理人です・・・
思いつくままに書き殴りなので、冒頭・オチ・展開の順です・・・(土下座)
先が見えちゃってる話なんて、書いてる本人しか楽しくもなんとも無いはず;;;