※珍しく原作寄りで、キラ要素を盛り込んだ妄想です。微エロ表現ありますが、Rつけるほど濃厚じゃないからいいやと思い、まんま放置です。







BLIND






おそらく月は退屈だった。

孤独を感じていた。


それに、気が付かない振りをした。







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いつだったか、ほんの戯れで体を繋いだ時があった。

勝ちたいと願う相手を組み敷いた時、言われようの無い充実を感じた。この男をもっと蹂躙してやりたい。

女を抱くのとは違う。甘い囁きも優しい愛撫もこいつには必要ない。
あるのは征服欲だけ。Lの肩に歯形を残した。痛みにLが僅かに顔を顰める。
白い肌にのこった赤い痕に思わず眩暈を覚える。気が付けば、この男の肌は男とは思えぬほど白く滑らかだった。
肩から胸へ唇を動かし、暫くその感触を楽しんだ。Lに見張られるようになってからは女を抱く機会なんてなかった。ミサの手前もある。だからこういった行為に対して飢えていた所為もあるかもしれない。

平らな胸板を力任せに揉みしだき、乳首を無遠慮に摘み上げた。痛みにLが体を捩る。

女の喜声を聞くよりも、興奮する自分に驚いた。

行為はだんだんエスカレートしていく。

「はじめてだなんて、嘘だろ」月がそう吐き捨てるとLは口の端を持ち上げた。

まるで肯定するような表情に月は理性を手放しかける。

思わず、その細く白い首に手をかけた。

息苦しさにLが苦悶する。

夢中で首を締めた。

Lの歪んだ顔が一瞬嘲笑のような笑みを浮かべ、そこで月は我に返った。

ひとしきり咳き込んだあと、Lは「こういうのお好きですか」と、掠れた声で呟き、ベッドを降りた。

全裸で月の足元に跪くと、月の足首を取り、足の指を口に含んだ。

指を一本一本丁寧に舐め上げ、最後、甲に音を立てて吸い付いた。

そのあと月を上目遣いで、じっと見上げたのだ。

Lの口元にはうっすらと笑みが浮かんでいた。

目があった瞬間月は自分でも抑えられないほどの衝撃を感じた。

衝動のまま、月はとびかかるようにLの髪を掴んで冷たい床に倒し、喰い付く勢いで唇を貪った。

その後のことは良く覚えていない。

きっと本能のままLを喰らい尽くしたのだろう。

翌日、何食わぬ顔で捜査を続けるLがいた。もしかして昨日の事は夢だったのかと思うほどだった。しかしLの首にくっきりと自分の五本の指のあとが残っているのを月は見逃さなかった。
Lはどう思ったのだろうか。キラとしての月(自分)をより意識したのではないのか。やはりあれは、捜査の一環だったんだろうか。だとしたらあまりにも酔狂だ。

おそらく、もう「二度目」はないだろう。



なぜなら、今日が彼の命日になる。



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Lが死んでからキラの裁きは順調に進んだ。順調すぎて物足りないほどだった。
月は言葉通り新世界の神になった。

ふと目に留まったキラ思想者の中で、自分と同じ感性を持った男がいた。面白そうだったからちょっとひっかけて遊んでやろうと思った。男は魅上照といった。黒髪で、ややLよりは長めか。連絡を取ってみると、いちもにもなくやってきた。
とあるビジネスホテルの一室。男は歓喜に打ち震えて待っていた。これから行われる行為に期待している様子が醜悪だった。どこか醒めた頭で男を見下ろす。月はソファに腰掛け、その姿勢のまま、男に靴を脱がせるように指示をした。魅上が息をのむのが判った。言われるままに魅上照は月の足元に跪き、月の足を取った。靴を脱がせ、するすると靴下を下げると、月の整った五本の指が現れた。月は美しく微笑を浮かべた顔で「舐めて?」と男を誘ってみた。男は歓喜に震えながら恐る恐る指を口に含んだ。興奮の為に潤んだ瞳が目障りだったので、月はあえて男から視線を外した。
窓の外よりも、どこかとおくを眺めた。

月にはLしか見えていなかった。

あの時の高揚が忘れられない。何故、自分は自我を手放すほど行為に没頭したのだろう。Lがいなくなった後、何人か抱いたがあの時のような感覚は感じられなかった。
目線を、下で必死に奉仕している男に向けてみる。彼に感じるものは高揚でも快感でもない。ただの嫌悪しか感じられなかった。心底煩わしそうなため息が月から漏れた。
「もう、いいから・・・」月がそう言った後、男は悲しそうに顔を歪めたが、あえて気にしないようにした。
そのまま帰るように促したが、何がいけなかったのか、どうして気分を損ねたのか、みっともなく縋ってきたのが厄介だった。
だって普通そうだろ?同性に足を舐められて興奮する奴がいるか。僕は変態じゃない。ありったけの言葉を浴びせて、ようやく魅上は帰っていった。
月は浴室で足を洗うついでにシャワーを使った。こんな時にもいちいちLとの記憶が蘇ってきてうんざりする。手錠でつながれた期間、よくLと並んでシャワーを使った。あの時は記憶を喪っていたから意識することも無かったが。
記憶の中のLは、驚くほど穏やかだった。自分をキラだと断定した時の鋭さは微塵もなかった。記憶の無い自分はLとどんな会話をしたのか。Lは穏やかに笑っていた。
月の胸に鈍い痛みが走る。Lを殺した事に後悔なんてしていないはず。しかし、確かに自分はLが居ない事に打ちひしがれている。

この感情の正体なんて知りたくも無い。知ったところでどうにもならない。

Lは、もうこの世にいない。

月はシャワーのコックを捻った。
水滴が途切れ、最後の一滴が排水溝へ吸い込まれていった。









END



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な、何がしたかったかって・・・・あしのゆb(すみません)
妄想が溢れすぎて趣味に走りました。月くんはLのいない世界をどう生きてくんだろうかと考えただけで切ない。
Lの代わりはいるけれど、竜崎のかわりはいないんだーい!(涙)
えと、時間軸はヨツ/バキ/ラの後〜胸/中の間ってことで・・・